2011年12月25日号

昭和鶏卵(株)
飼料米と機能性で特殊卵市場に挑む
「真」「順」「絢」の「飼料米三姉妹」シリーズ


「国産飼料米で自給率アップ」を掲げ、2008年から飼料米事業に取り組んでいる昭和産業(株)グループが、満を持して「飼料米三姉妹」を発表。疲労回復や造血作用を持つビタミンEやビタミン12、葉酸などの機能性を充実させ、原料には飼料米や非遺伝子組み換えトウモロコシ、オリゴ糖などを配合し、特殊卵市場に打って出た。

これまでほとんど特殊卵を扱ってこなかった昭和産業グループだが、「こめたまご」は「フードアクションニッポンアワード2010優秀賞」を受賞、また2011年6月には「あさひのこめたまご」を発売するなど実績を重ねてきた。

「米のちから」をキーワードに、「真」(まこと)、「順」(じゅん)、「絢」(あや)はそれぞれコンセプトや機能、価格を差別化し、パックデザインも色分け。各パックに稲穂のイラストやブランド共通のキャラクターをあしらうなど、“三姉妹”として関連付けることで消費者への浸透を図る。

同社は「今までは展示会など業者向けのプレゼンテーションが中心だったが、今後はポスターやポップといったアイキャッチを強化して、消費者に直接手に取ってもらえるような企画を考えていきたい」とし、年明け以降の大手スーパーでの展開にも注力していく方針だ。

昭和産業の飼料米の取扱量は、初年度の50トンから現在は1500トンに、将来的には12万トンを視野に入れるなど、「飼料メーカーとしては先駆けを自負している」。一方、グループ企業を横断する「特殊卵チーム」では、新商品の開発に向けて検討を重ねていた。その両者の協力で生まれたのが、今回の「飼料米三姉妹」だ。

2011年は4つの製品を発表するという新製品ラッシュになったが、「グループとして今後に向けた一つの実績になる」とし、今回の「飼料米三姉妹」をステップに、販売量の中で占める特殊卵の比率を、現在の5%からさらに高めていくとともに、「飼料も含めて自給するのが本来的には望ましい」との考えから、「米を鶏が食べて鶏ふんを肥料に米が育つ、そんな循環型農業に発展させたい」という目標に挑戦していく方針だ。




 

2011年11月25日号

(農)黒富士農場
有機JAS卵の先駆けは自然と共生する農場
“庭付き一戸建て”から産まれる「放牧卵」


山あいの広大な土地を、鶏が元気に走り回っている。15ヘクタールに6万羽、そのうち3万羽が平飼いという、まるで「庭付き一戸建て」の趣だ。

「クロレラなどの栄養分を豊富に含んだ水なので鶏の健康にもいい」と、恵まれた自然環境を存分に生かしている。

「自然と共生する農場作り」を掲げる黒富士農場では、山の腐葉土を敷いた地面を鶏が闊歩し、自生する牧草を食べ、水も農場内を流れる川から引いて飲用に。抗生物質も殺虫剤も使わない。食材を「作品」と捉えている向山代表は、有機大豆と有機コーン、米ヌカをベースに、味噌やニンニク、ヨーグルトやクロレラなどを混ぜた発酵飼料で、「リアルオーガニック卵」や「放牧卵」といった「作品」を生産している。

しかし、自然に近い環境での飼養はコスト的にも技術的にも難しい。それでも、向山代表は「難しいからこそ楽しい」と言う。この恵まれた環境に安住することなく、太陽光や風力などの自然エネルギーの活用や茶ポリフェノール有機質肥料製造といった新技術の研究開発を進めるほか、農場HACCPにも取り組むなど、あくまでも前向きだ。

直売所は山梨県内に3店舗ある「たまご村」。このうち敷島店には、週末になると150〜160人が来店する。店長の長田喜代美さんは「直売所で1日に3000個以上も売れる卵は珍しいのでは」と話す。「お客様はリピーターが中心。『一度食べたら忘れられない』と、遠方からも来ていただいている」

ゆで卵の試食コーナーを設置したりケーキ工房を併設したり、ゆで卵用の塩にも着目してブランド塩も販売するなど、卵の味に加えてさまざまな試みを続ける店もまた、独創的な「作品」のようだ。




 

2011年10月25日号

(有)カトウファーム(東京都町田市)
さっぱり感が評判の「かとうさんのたまご」
空気と水と飼料を大事に、プリンに挑む


「風味がしっかりしているのに、しつこさが後に残らない」という常連さんの言葉が、すべてを物語っている。独特の味が、地元ファンの心をつかんでいる。

創業50年の(有)カトウファームが今の地に拠点を移して12年。さまざまな創意工夫で、地域に溶け込んできた。

鶏の飼養には「空気と水と飼料が大事」(加藤社長)という。鶏が飲む水は農場内を掘削、地下101メートルから湧出する天然のミネラル水を使用、飼料には有効微生物群を自家培養し混ぜることで、鶏の腸内有効菌群を増殖させて抵抗力を高め、健康を促進している。

鶏舎はウインドウレス。衛生管理は、全鶏舎を週に1回清掃、鶏舎ごとに服と靴を替える、パコマによる消毒を毎月1回など。鳥インフルエンザ対策として車両のタイヤ消毒も徹底している。

「移転する前は掃除からなにからすべて手作業だったので、体力的にもきつかったし、ホコリまみれの環境での作業だったから健康にも良くなかったはず」だが、「今はボタン1つで機械が全部やってくれるので、楽だし清潔だしと、いいことづくめ」だという。

そして、転機が訪れる。卵の評判を聞きつけたあるスーパーの人から「あなたの卵は旨いのだから、プリンでも作ってみたら」と勧められたのだ。

「機械化してちょうど時間もできたので」と、開発に着手。数々の試行錯誤を重ねた結果、東京都の地域特産品にも認定されるなど、その味が広く認められるようになった。卵の特徴を生かしたさっぱり感が評判を呼び、今では百貨店や有名シェフ、料亭などともタイアップしている。

「プリンを始めたら、養鶏だけの頃には考えもしなかったような異業種の人たちとも会えるようになった。最近はお客さんもたくさん来るし電話も鳴るしで、当分はボケる心配もなさそうだ」と、嬉しそうな笑顔を見せた。




 

2011年9月25日号

◎(有)たかはしたまご(埼玉県日高市)
自家配と飼養環境にこだわる「萌味」「金印」
お客様に「おいしさ」を評価されることが第一


「卵は洗わない。冷蔵庫には入れるな」。(有)たかはしたまごの高橋尚之社長は常識にとらわれない飼養法と経営で、「業界の異端児」を自認する。

成鶏1万5000羽は「専業としては小規模」だが、味の方は「自称・世界一」。「安全性とおいしさだけを考えて」編み出したエサは完全自家配合で「もちろん非効率だしコストも掛かるが、おいしさを最優先すればこうせざるを得ない」という。

鶏は「日本で養鶏をするなら、日本の気候風土に合っていることが一番」と、(株)後藤孵卵場(岐阜市)の国産鶏さくらともみじを採用。飼養環境もオープンエアの一段飼いと、鶏にとって理想的な飼養環境にこだわっている。「時代遅れのやり方かもしれないが、おいしい卵を作るにはこれがベストだと信じている」。鶏舎に撮影に行くと、鶏が元気にエサをついばんでいた。

「おいしい卵の価値をお客様に評価していただくことこそ、生産者が誇りとすべきこと。うちの規模なら地域密着で、地域に愛していただける卵を提供し続けることが大事」という。「うちの卵を食べたら、もうほかのは食べられないと言ってくれるお客さんが多く、それが励みになる。おいしさのためなら、コストは二の次」という異端児は、血気盛んにこだわり続けている。
 



 

2011年8月25日号

◎森正養鶏場(神奈川県川崎市)
菜も卵も99%自家販売、卸はしない
キロ580円の農家ブランド「モリモリ卵」


究極の都市型養鶏(もちろんコマーシャルベース)を取材したいと思い、インターネットであれこれ検索するうちたどり着いた森正養鶏場。渋谷から東急田園都市線急行で13分、溝の口駅から蟹ヶ谷行きの路線バスに乗り換えて15分ほど。子母口の停留所で下車すると、目の前に森正養鶏場の大看板と農産物直売所が現れる。
 11代目の後継者、大学で神道学を修め、神主を副業とする28歳の森誠さんは「川崎の中では一番都会、神奈川県内でも都心に一番近いのではないか」と語る。外から見ただけでは、この場所に養鶏場があるとわかる人はまずいない。「お客さんから、他から仕入れているのではないかと言われたこともある」という。
 飼料の中身にこだわり、低カロリー、低脂肪、カルシウムやビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ヨードなどを強化した「モリモリ卵」の末端売価はキロ580円。一般的な養鶏場ではあり得ない価格帯での有利販売を実現している。
 「卵も野菜もほぼ一〇〇%自家販売している。地域密着というより、もう少し範囲は広いかも。第三京浜などを使って東京都内や川崎駅の方からもお客さんは来る。地方発送もしているが、遠いところでは九州、シンガポールに卵を送ったこともある」と話す。
 森家、今年80歳になる祖父の森正さんが養鶏を始めて50年。1964年頃から徐々に羽数を増やしてきた。「鶏を飼い始めたのは卵を採ることよりも鶏ふんが欲しかったから」で、現在も5日に一度は除ふんし、中部エコテック鰍フ機械でコンポスト化。直売所で一部販売しているほかは、すべて畑に還元している。飼料には枯草菌や乳酸菌が入ったプレミックスを添加し、鶏の健康維持、飼育環境の改善に取り組む。
 飼養鶏種はボリスブラウンで、125日齢の大びなを購入。1987年に建てた石川式都市型ウインドウレス鶏舎1棟で最大3000羽を飼養する。
 森さんは「ある意味では、理想的な飼い方ではないかと思う。給餌・集卵時に鶏を観察できるので体調がよくわかるし、死んだ鶏をすぐに見つけることができる。夏場は水を散霧するなど、体調管理には十分気を付けている。幸いこの暑さでも熱死や産卵の大きな落ち込みもない」と話していた。
 



 

2011年7月25日号

◎日本農産工業(株)(神奈川県横浜市)
トップブランドであり続けるために」
発売35周年を迎えた「ヨード卵・光」


昭和51年の発売以来、今年で35周年を迎える「ヨード卵・光」。千葉大学薬学部の湊顕教授がヨードと鶏卵との関係性に着目して日本農産工業((本社横浜市、田中猛社長)が研究開発に着手したのは昭和28年で、発売まで二十有余年がかかっている。長年の地道な研究が功を奏して、今では押しも押されもせぬトップブランドに君臨している。
 発売時、畜産物で初めて固定価格を導入した「ヨード卵・光」だが、ブランド卵という概念そのものがなかった時代の6個パック300円は営業的に苦戦を強いられ、営業マンが紙袋に卵を入れて、「富山の薬売り」さながら一店一店歩いて回っていたが、発売当初は赤字の連続だった。
 そんなあるとき、転機が訪れる。某週刊誌が「高血圧やゼンソクに効く卵利用法」として「ヨード卵・光」を紹介すると話題が沸騰。問い合わせが殺到するなど大きな反響を呼んだ。百貨店への納入も続々と決まり、苦しかった事業に一筋の光が差し込んだ。
 その後もアレルギーへの耐性や脂質代謝など多くの機能性が社会的な注目を集める。消費者からは濃い黄身と厚い殻というクオリティも高く評価されて、現在の不動の地位を確立。1000羽で始めた羽数も今では100万羽を優に超えるなど、35年間で大きく飛躍した。
 ヨード卵部の小坂裕一部長は「今の『ヨード卵・光』は20年以上の研究を重ねて辿り着いた成果で、自信もある。今でも中身は35年前と同じだし、今後も変える気はない」とトップブランドであり続ける決意を語る。



 

2011年6月25日号

◎東京・有明の東京ビッグサイト
「つくります!美味しい未来」をテーマに開催
「FOOMA JAPAN2011(国際食品工業展)」


(社)日本食品機械工業会(尾上昇会長)が主催する「FOOMA JAPAN2011(国際食品工業展)」が6月7〜10日の4日間、「つくります!美味しい未来」をテーマに、東京・有明の東京ビッグサイト東展示棟で開催された。 今年のFOOMAでも、原料処理、食品製造・加工、エンジニアリング・生産流通システム・ITソリューション、鮮度管理・品質保持、包装・充填、保管・搬送・移動、計測・分析・検査、衛生対策・管理、環境対策・リサイクル、設備機器・技術・部品の分野ごとに最新の製品、サービス、情報を一堂に紹介した。会期中は、東日本大震災による電力不足を考慮して閉館時間を一時間早めたほか、会場内の照明や動力を必要量に設定するなど種々の節電対策を実施。特別企画では「食品工場の省エネソリューション」をテーマに掲げ、出展各社の工場やオフィスで今からでも間に合う節電・省エネ対策をパネル展示、工程や熱源の見直しによって省エネ効果を飛躍的に高め、CO2削減にも有効な最新システムの導入事例も紹介した。
 本誌関連では、(有)三共技研が今年もミニ割卵機「ワルサー3000」を紹介し、デモ運転を披露。同機は大型機と同様のクラッキングユニット(オールステンレススチール製)を採用した高性能小型割卵機で、あらゆる割卵業務に対応するためのオプションも充実している。割卵能力は毎時3000卵、90%以上のホール卵の採取が可能である。 (株)エコノス・ジャパンは「パルスジェッター」に「パルスビーマー」を組み合わせた新製品「プリフォームエアー洗浄・殺菌システム」を発表。殺菌ランプ長1000ミリメートルの「パルスビーマー」や、フィルム殺菌や流水殺菌などの新たな用途を紹介するとともに、非加熱殺菌の新用途や導入の可能性を提案した。また、過熱水蒸気を用いたラベル収縮装置「エコシュリンカー」、炭酸次亜水製造装置、エア洗浄装置「パルスジェッター」も紹介。
 超小型プリンターを搭載した新製品を続々開発、鶏卵GPセンターでも多くの実績がある(株)シンメイは、「サーマルダイレクトプリンター(卓上型)」「ワンダフルプリンター(超小型包装機対応)」「空袋ラベラー(卓上型)」「オートラベリングシステム(インライン)」を出品。製菓・真空冷却など食品関連機会で幅広い商品群を持つ(株)品川工業所は、コンパクト設計の「自動ロール卵焼き機」の実演を行った。
 この他、本誌関連では(株)前川製作所、マーケム・イマージュ(株)、(株)アビー、ワタナベフーマック(小野食品機械)、アサヒ産業、ニチモウ、東亜交易、住友スリーエム、岩井機械工業、クボタ、大栄、フーズデザインHACCP研究会(紀鳳産業)、イシダ、レオン自動機、ハナガタ、ムンタース、ケルヒャージャパン、紀州技研工業などが出展していた。



 

2011年5月25日号

◎三栄鶏卵(株)(愛知県岡崎市)
国内最初期のブランド卵「満月」が復活
自分が食べたい理想の卵を追求し生産へ


 明治24年の創業から120年以上の歴史を誇る三栄鶏卵(株)(本社岡崎市、市川尚宏社長)は1970年にブランド卵「満月」を発売した。
 もともと飼料問屋として中部飼料(株)と関係が深く、より高品質でおいしい卵を目指し、同社と共同で開発を行い、地元岡崎市を中心に広く長く愛されていた。ところが1990年代には魚粉をはじめとした質の良い飼料原料が手に入りにくくなってしまったため、販売を中止していた。
 現職の市川尚宏氏の社長就任から4年後の2008年、渥美半島において直営生産農場「市川飼料(株)渥美農場」の運営を開始し、創業以来引き継がれてきた飼料創りへの想い、卵創りへの情熱を背景に「満月」がリニューアルして発売された。
 市川社長は「昔販売していた『満月』はとても良い卵だったという話を聞いて、三栄鶏卵といえば満月というイメージが岡崎市内に浸透していたので、自分自身が食べておいしいと思えるような卵を生産することができたら『満月』として販売したいとチャレンジをした。当時の飼料の配合設計や配合表をもとに、ある部分は再現して、さらに現代の消費者ニーズに合わせた配合に練り直し、発売までたどり着くことができた」と語る。
 「満月」はえごま、木酢酸、海藻、ヨモギを添加した飼料を与え、臭みがなくコクのある卵に仕上がっている。また、「満月」の商品ロゴは三代目直筆であり、文字の色も「満月」のカラーファンに近づけた色にしている。
  同社ではHACCPに基づいた衛生管理も実施。養鶏場から原料卵の受入れに至るまで、各工程での管理基準を設定し、安全・品質保証に取り組んでいる。さらにGPセンター内をゾーニングし、各セクションでの温度管理を行うことにより、1年を通して品質が安定するようにしている。

 




 

2011年4月25日号

「買い控えを吹き飛ばせ!
福島・茨城の農家を応援しよう」――。


 東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故で、福島県産の野菜などから国の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたため、政府は原子力災害特別措置法第20条第3項に基づき、3月23日付で福島県産の非結球性葉菜類および結球性野菜(キャベツ、ハクサイ、結球レタスなど)、アブラナ科の花蕾類(ブロッコリー、カリフラワーなど)およびカブ、茨城県産の原乳およびパセリについて出荷制限を指示した。

 出荷制限が指示されて以来、安全性に何ら問題のない他の野菜などでも買い控えが続いており、このままでは農業への被害は大きくなる一方である。

 (株)東京交通会館(本社東京、中川洋夫社長)と銀座農園(株)(本社東京、飯村一樹社長)は、両県の農家や農業団体が中心となって「買い控えを吹き飛ばせ!福島・茨城の農家を応援しよう」キャンペーンを、4月1日から5月8日まで東京・有楽町駅前の交通会館マルシェで開催中である。

 政府は3月31日、暫定基準値を超える放射性物質が検出された野菜などの出荷停止について、その後の検査で三回連続、基準値を下回った場合には、都道府県単位ではなく、基準値を下回った地域ごとに解除する方向で検討を始めたが、今は流通企業を含めた食品業界全体が一致団結し、正しい情報の共有・普及に努め、風評被害などの防止に尽力しなければならない時である。

 また、農林水産省では野菜、牛乳・乳製品、肉・卵、魚介類、食品流通などに関してQ&Aの作成・公表などの取り組みを行っているが、今後も引き続き適正な情報開示と十分な説明責任を全うすることが、震災後の復旧の過程においては絶対的に不可欠である。




 

2011年3月25日号

フードチェーンの安全性などメインテーマに
「VIVアジア2011」バンコクで開催される


「VIVアジア2011」が3月9日〜11日にタイのバンコク・インターナショナル・トレード・アンド・エグジビション・センター(BITEC、バンコク国際貿易展示場)で開催された。

VIVアジアは2年に1度、オランダに本部を置くVNUエグジビションズ社とタイのNCCエグジビション・オーガナイザー社の共催、タイの会議・展示公社(TCEB)、そしてタイ畜産局ほか八つの畜産団体の協賛により開かれているアジア最大規模の畜産展示会で、世界45カ国から682社の出展があった。

日本からは(株)晃伸製機、(株)ハイテム、(株)ナベル、共和機械(株)、カルピス(株)、日本ニュートリション(株)、(株)ピィアイシィ・バイオ、(株)ホソヤ(ヘルマン)などが出展。出展関係者によると、米国アトランタの養鶏展示会に比べて会場スペースが狭いこともあるが、今年は特に来場者が多く、連日活気にあふれていたという。

2012年2月22〜24日にはインド南部の都市バンガロールで「VIV/ILDEXインディア2012」として開催され、VIV、ILDEXそれぞれから100社以上の出展が見込まれている。




 

2011年2月25日号

スーパーマーケット・トレードショー盛況
最新情報求め、過去最高の8万名超が来場


(社)新日本スーパーマーケット協会が主催する第45回「スーパーマーケット・トレードショー2011」が2月8〜10日の3日間、東京・有明の東京ビッグサイト(東ホール全館)で開かれ、1127社・団体が出展する中、過去最高の8万3421名が来場した。また、同時開催の「地域資源セレクション2011」「店舗開発ショウ2011」「こだわり食品フェア2011」も盛況であった。

本誌関連では、(株)アマタケが今年も大型ブースで出展し、スーパーマーケットで買い物をする女性層をターゲットに「食べて健康、食べてキレイ。」のコンセプトを提示。「南部どり」「三陸地鶏」「岩手がも」の生鮮肉、総菜、加工品や、「南部どりたまご」「南部どり100%でつくったコラーゲン」など消費者目線≠フ売り場づくりを積極的に提案した。

JA全農たまご(株)は、おいしさと、ビタミンE・葉酸強化の機能性をそのままに、新たに鶏の飼料に国産飼料米を10%加えた「しんたまご」のリニューアルを発表。今回は同じく飼料米を給与した新商品の「実りのたまご」、1パック当たり2円がWWF(世界自然保護基金)の自然保護活動に活用されるエコ商品「みんなの環(わ)」、昆布だしベースで甘み豊かな味に仕上げた独自開発の「玉子かけご飯しょうゆ」も出品し、来場者の関心を集めていた。

(株)さんわコーポレーションは、自社グループ農場で飼育した「三和の純鶏名古屋コーチン」などを使用した料理用コラーゲン、とりめしの素、手羽唐、チキンライス、コラーゲンカレー、味噌スープ、ギフトセットなど多彩な加工食品を中心に紹介。

プライフーズ(株)は、自社生産の銘柄鶏「五穀味鶏」を使ったローストチキン、チキンナゲット、チキンウインナー、とりだんごなどの鶏肉加工品、アウトパック商品を提案した。

昭和産業(株)では、グループ会社の昭和鶏卵(株)が飼料用米10%配合のブランド卵「こめたまご」を紹介。同社グループ2008年から千葉県の北総養鶏組合とタイアップし、業界に先駆けて「こめたまご」の開発・販売をスタートしている。

深川養鶏農業協同組合は、天然記念物の黒柏鶏を基に作出された山口県初の地鶏「長州黒かしわ」(在来種血液割合75%)を積極的にPR。(株)愛農流通センターは有機・減農薬栽培の農産物や抗生物質・遺伝子組み換え飼料フリーの鶏卵、鶏肉、豚肉、牛乳・乳製品、海産物を紹介していた。

高知県の窪川ブラウンファームは土佐学協会が提案する塩で食べる究極の卵かけご飯≠ノ最適という「コロンブスの茶卵(ちゃまご)」、高知食鶏加工(株)は独自製法で焼き上げ生臭さを解消した「こんがり鶏ガラ」を出品。鳥取県の(有)小川養鶏場は飼料用米(モミ)を純国産鶏さくら・もみじに食べさせた鶏卵、親鶏スモークなどを試食展示した。

海外勢では、BRF(ブラジルフーズ)が唐揚げ用の味付け鶏モモ肉角切りを紹介。日本ハム(株)が2006年に中国山東省の威海海都食品集団と合弁で設立した天津龍泰食品有限公司は、ハムエッグカツ、うずらウインナーカツ、海老たまなど鶏卵を使った多彩な冷凍畜肉加工品を出品、今後は既存の取引先以外にも販路の拡大を図りたいと話していた。




 

2011年1月25日号

◎(有)鈴木養鶏場
急成長を遂げる特殊卵『凛』『ごくうま』
消費者の声を吸い上げる柔軟さが鍵


40年にわたり養鶏を営んできた鈴木養鶏場(本社新城市、鈴木善之社長)は成鶏22万羽を飼育し、わずか3年の特殊卵販売の取り組みで特殊卵の販売比率が比率50%を達成。今後ますますの割合拡大が見込まれている。

同社の販売する主力特殊卵は『凜』と『ごくうま』の2種類。『ごくうま』は豊富なミネラルを含む海藻類とゴマを添加することによって卵本来の甘みとコクにこだわりを持って生産されている。一般卵と食べ比べてみても明らかに味の違いがあると好評だ。

『凜』は『ごくうま』同様、甘みがある赤玉で、抗酸化作用のあるビタミンEを飼料に添加している。

鈴木養鶏場のノウハウが詰め込まれた指定配合飼料はその他にもカルシウムの効率的な吸収に効果のあるビタミンDやオリゴ糖などを各種自社ブランドの特殊卵に配合している。

テーブルエッグ販売の他にも同社では『たま家』という直売所を経営している。卵を使った洋菓子を中心とした商品展開で好評を博している。

同社の卵はパッケージにもこだわり、消費者が使いやすい形を追求している。パックは燃やしても発熱量が少なく、有毒ガスを発生しない素材を使用。また、卵殻に賞味期限を印字している。

スーパーや消費者から意見や要望をもとに柔軟な対応で新商品の開発を行っている同社は、たまごの種類やパック、ラベルデザイン、規格などを工夫し、消費者に魅力的な商品を提供し続けていく。



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