鶏卵肉情報 進化するブランド

2017年4月25日号

◎(有)昔の味たまご農場
卵白のコシが強い「昔の味たまご」
料理の美味しさと仕上がりを考える


「生で美味しいのは当然。料理の仕上がり、それが自慢です」。卵のパックにも直売所の看板にも、個性的なイラストとともにそう紹介されている「昔の味たまご」。生産する(有)昔の味たまご農場(神奈川県相模原市)の田中紘社長の息子である亮氏は「料理後の美味しさや仕上がりの良さまで考えて生産している」という。

東京・神谷町のイタリアンレストラン「トスカーナ」などを展開する(株)イタリアンイノベーションクッチーナの四家公明社長が「卵白のコシと香りがほかの卵と比較して圧倒的に強い。それにより卵黄のコクが引き立ち、料理の味をぐっと良くしてくれる」と評価しているように、「琥珀色をした卵白のコシがさまざまな料理の味を引き立てる」(田中亮氏)。琥珀色なのは、卵白にビタミンBが多く含まれているため。

白身のコシの強さを示すちょっと珍しいエピソードは「コンソメづくりに失敗しない」というもの。亮氏は「コンソメは野菜などの具材を細かく刻んで卵白で固めるのだが、その際、卵白のコシが弱いと崩れてしまう。しかし、昔の味たまごは水溶性卵白が少なくコシが強いため、フレンチの料理人から『これに替えてからコンソメづくりに失敗がなくなった』といわれた」と説明する。



2017年3月25日号

◎紀州うめどり・うめたまご協議会
梅干しを活用した「紀州うめたまご」
梅酢を配合し鶏の腸内環境を整える


梅干しの生産量が年6万トンと全国の6割を占める和歌山県。梅干しは和歌山が誇る特産品の一つだが、紀州南高梅の産地・南部町では、梅干しづくりの過程で出る梅酢の処理に悩まされていた。そこで、夏場に弱った鶏に梅酢を飲ませるという地域独特の風習を生かし、飼料に梅酢を配合して誕生したのが「紀州うめどり」と「紀州うめたまご」だ。

梅酢のエキス「紀州梅そだち(梅BX70)」を配合した飼料と鶏の健康との関連性を和歌山県畜産試験場養鶏研究所で調査したところ、クエン酸やリンゴ酸、ポリフェノールなどの有機酸を豊富に含む梅酢は鶏の腸内環境にも好影響を与えることが確認されたという。 これを機に、和歌山発のブランド鶏肉とブランド鶏卵をつくろうと2006年に生産者らで組織されたのが紀州うめどり・うめたまご協議会。事務局を務める中田直希氏((有)中田鶏肉店専務)は「うめどりもうめたまごも、梅干しの消臭効果で臭みが非常に少ない」という。



2017年2月25日号

◎伊藤忠飼料(株)
投書箱に「ぐでたま置いてください」の声
人気キャラとコラボで、卵売場に季節感を


サンリオの人気キャラクター「ぐでたま」。いかにもやる気がなさそうな、ぐで〜っとした卵の不思議なキャラクターが登場したのは、同社が2013年に開催した投票企画「食べキャラ総選挙」。総選挙では2位を獲得し、2014年にTBS系の朝の情報番組「あさチャン!」の番組内ショートアニメに登場するや、たちまち20代、30代の若い世代を中心に注目を集め、2016年夏に行われた投票企画「サンリオキャラクター大賞」では4位入賞を果たすなど、現在も高い認知度と支持を得ている。

伊藤忠飼料の「ぐでたま」が、数多のキャラクター商品と違うのは、卵そのものの商品力と企画・提案力だ。同社は「鶏卵は商品の改廃が少ない上、シーズン商材も存在しないため、1年を通して変化に乏しく、季節感がない」として、卵売場の活性化をコンセプトに「ぐでたまを四季(イースター、土用の丑、ハロウィン、クリスマス)の期間限定パッケージで展開すること」を提案。おまけのぐでたまシールやパッケージ、キャラクター自体の人気も相まって、販売は初年度から毎月右肩上がりで伸びていったという。



2017年1月25日号

◎大木養鶏場
見た目のブランド戦略と濃厚な味わい
HE-BARA NO MEGUMI


直売所の看板や化粧箱にデザインされたオレンジ色は、15を超えるという濃厚なカラーファンをイメージしている。「見た目も大事なので」という大木孝一氏が代表を務める(川崎市)のブランド卵「HE−BARA NO MEGUMI」は、農場のある川崎市菅生ヶ丘がかつて「稗原(ひえばら)」という地名で、地元の人が「へぇーばら」と呼んだことにちなんでいる。以前は「へぇーばらの恵み」と称していた卵を、大木氏が「世界的な某有名ブランドのロゴを意識して」アルファベット表記に変更した。見た目を重視した形だが、化粧箱入りの贈答用卵の販売拡大につながるなど、こうした姿勢は一つのブランド戦略になっている。

29歳で家業を継いだ大木氏は「カッコよく農業をしたい」としてブランド戦略を進め、直売所を兼ねた作業所もガレージ風に改装するなど、見た目のイメージを重視してきた。しかし、学生の頃に食べた月見うどんがきっかけで卵が食べられなくなった経験を基に「最高の卵を自分でつくりたい」という思いから、鶏種や飼養方法などの研究を続けてきた結果、HE−BARA NO MEGUMIは今では多くの人々に支持されるブランドにまで成長した。



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