2005年3月号

◎沖縄県名護市・(株)我那覇畜産
琉球在来種「アグー」から生まれる高級ブランド
夢馳せた「やんばる島豚」に全国が注目


幻種の保存にも活発化

名護市街から車で約30分。山間の集落からさらに奥、名護岳の麓に(株)我那覇畜産(名護市大川、我那覇明社長)がある。養豚を始めて30年余り、現在、母豚500頭の(繁殖から肥育までの)一貫経営を営む。我那覇畜産の特徴は、なんといっても琉球在来豚「アグー」を使って「やんばる島豚」を生産していること。
「アグー」とは、14世紀後半に中国から沖縄に伝来したといわれる黒豚で、純粋種の「アグー」は成長しても60キロ程度と非常に小型で、産子数が少ないため、肉量が多く繁殖性が高い白色系の大型種に押され、数が激減。今や「アグー」は県全域で130頭しかいない幻種と化した。絶滅の危機に瀕したこともある。
しかし、その栄養価や味における価値が認められるようになり、最近では県産ブランドとして、さまざま機関や組織が種の保存と繋殖のための研究を行っている。そのなかの一つ、「琉球在来豚アグー保存会」の理事も務める我那覇さんが、「やんばる島豚」に乗り出したのは3年ほど前。「アグー」と、黒豚としてお馴染みのバークシャーを交配して作った肉豚に、沖縄北部の呼称「やんぱる」(「山原」が由来といわれる)の名を付した。


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