鶏肉・豚肉・牛肉などの食肉加工販売企業で、都内7000軒の飲食店に納入する(株)プレコフーズ(高波幸夫社長、本社・東京都大田区)が今年7月1日、オリジナルブランド銘柄豚「総州三元豚『白王』(はくおう)」の販売を開始した。
創業以来、いわゆる「町の鶏肉屋さん」として営業してきた鳥利商店は、1994年の(株)プレコフーズへの組織変更を転機に、「総合食品卸企業」へと転身するべく、さまざまな改革を遂げた。
また、「安全」「品質」「鮮度」という企業理念を実現するために、2004年にはISO9001認証を取得。
2007年4月27日には、本社配送センターと東東京配送センターが(財)日本品質保証機構(JQA)のISO9001-HACCP認証企業として登録された。ISO9001-HACCPの登録範囲は「鶏肉製品、豚肉製品、牛肉製品、その他家きん畜肉製品の企画、製造及び配送」。昨秋には西東京配送センターでも認証を取得した。ISO9001-HACCPの導入は「『安全』『品質』『鮮度』を何よりも大事に考えているから」とその理由を説明する同社社長室の小林治室長。
「白王」は千葉県にある母豚1000頭規模のSPF豚農場、(有)鏑木ピッグファーム(千葉県旭市鏑木、岩岡喜久男社長)で生産されており、選び抜かれた種豚((株)シムコ)や、ライ麦やイソマルトオリコ糖などを配合した専用飼料、そしてSPF豚協会認定農場として徹底して行われる衛生管理などにより、疾病やストレスがなく、健康で元気な豚に育てられている。
「種」「飼料」「環境」の三拍子揃った「白王」は、脂がきれいな白色で、旨みが濃く口の中でとろける美味しさ。きめ細かな肉質は保水性に富み、みずみずしさを保ちドリップロスが少なく、調理しても肉汁を逃がさない。おまけに子豚期である約40キロ以降は無薬の配合飼料を使用しており、安全性にも万全を期している。
「白王」は、日本畜産振興(株)(茨城県取手市、安藤貴子社長、と畜能力1200頭/日・カット処理能力850頭)でと畜処理、カット処理されているが、ISO9001-HACCPの認証を取得し安全性や品質を重視しているプレコフーズの厳格な衛生管理規定などが取り交わされており、日本畜産振興の施設内においても衛生管理や鮮度管理はかなり厳密に行われている。しかも、と畜からカット段階まで他の豚肉と混ざらないように1頭ずつ完ぺきに管理され、トレーサビリティも確立している。
取引のあった流通業者からの薦めが「白王」を取り扱うきっかけとなったが、「納入先の店舗ではとくに脂が美味しいと大変好評です。お店では『白王』のブランド名をメニューに明記していただいています」と東東京配送センター取締役センター長の水口透氏は説明する。脂が白く質が良く、まさに豚肉の王様というのが「白王」のネーミングの所以でもあり、顧客から評価も上々だという。
養豚生産者が丹精込め育てた豚肉が衛生的な施設で処理・加工、販売されるのは、まさに理想的な姿。「白王」はその代表格であり、7月に販売を始めたばかりだが、すでに評判も上々で、今後はユーザーの要望にも応え販売量も徐々に増やしていく計画だ。