2006年10月号
◎群馬県太田市・三和食品株式会社
ISO22000を効果的に運用してHACCPの“データ分析”と“継続的改善”を強化
〜ISO9001, ISO14001, ISO22000をバランス良く活用するワサビ・ショウガ加工業〜
ワサビやショウガを原材料とした香辛料等の製造加工および販売を主業務とする三和食品株式会社は、2006年6月に英国の認定機関UKASよりISO22000の認証を取得した(審査登録機関はビーエスアイジャパン株式会社)。同社は2003年にISO9001、2004年にISO14001の認証もビーアイエスジャパンから取得しており、品質管理、環境配慮、安全性確保を徹底した企業活動を展開している。同社の主力商品は、日産約2.5トン(約100万食分)の小袋入りワサビ。主業務である香辛料(ワサビ、ショウガ、ニンニク)以外にも、各種タレ類、大根おろし、紅葉おろし、とろろ、カット野菜、ノンアレルギードレッシングの製造加工など。
同社では、ISO22000を導入した目的として(1)事業領域の拡大、(2)食品安全の社会意識と実践のさらなる向上、(3)ゴーイングコンサーンの実現、(4)食品安全を求める社会的要求に応える、(5)食品安全のフードサプライチェーンの構築、の5点を挙げている。ISO22000の構築推進の中核を担った石川徹也副社長は「常に『データ分析』と『継続的要求』が求められるのがISO22000の良さだと思う。また、施設を充実させなければ認証取得ができにくいHACCPに対して、必要と判断したときにソフト・ハード的改善を行えば良いという合理性・柔軟性もISO22000の強みだと思う」と説明する。
ISO22000の取り組みは、2005年5月にキックオフ。それから約10ヶ月で本審査までを終えた。石川副社長は「ISO22000の構築は決してスムーズではなかった」と振り返る。「進み具合に停滞感を感じたこともあったが、従業員全員が参加する毎朝の勉強会を継続したり、現場作業者が参画して書類を作成するなど、構築の過程において従業員の意識は劇的に変化した。その結果、“トップダウン組織”から“ボトムアップ組織”へと変化する土壌を築くことができた」と語る。
また、石川副社長は「中小規模企業こそ、ISOを活用して合理化や省力化を図るべきだ」と語る。「チャレンジ精神があればISOは取得できる。わが社としては、今後はISO9001、ISO14001、ISO22000を効果的に活用して、『小さくともキラキラ光る食品工場』を目指ざしていきたい」と語った。
|