2007年7月号
◎岐阜県・飛騨ミート農業協同組合連合会(JA飛騨ミート)
《飛騨牛》の処理・加工・販売でISO22000認証取得
今後はISO9001の要素をISO22000マニュアルの中に取り込み運用
全国的な知名度を誇る「飛騨牛」の処理、加工および販売を主業務とする岐阜県高山市の飛騨ミート農業協同組合連合会(JA飛騨ミート)は3月20日、ISO22000の認証を取得した。審査登録機関は(社)日本能率協会審査登録センター(JMAQA)で、ISO22000の対象範囲は「飛騨牛を中心とした牛肉(牛内臓赤物、牛内臓白物、牛モツ、牛アキレスを含む)の処理、加工、販売」。
JA飛騨ミートの主力商品は全国的にも知名度の高い「飛騨牛」。飛騨牛は、岐阜県内で14カ月以上肥育された黒毛和牛種で、(社)日本食肉格付協会の実施する枝肉格付において、肉質等級5等級・4等級・3等級に格付けされた牛肉に与えられる銘柄である。2002年9月に岐阜県で開催された全国和牛能力共進会において「内閣総理大臣賞・最優秀枝肉賞」を受賞したことで、一躍全国のブランド牛として知られるところとなった。
ISO22000に取り組んだ経緯について、飛騨食肉センター長を務める小林光士参事は「『日本一の飛騨牛』を『日本一の衛生基準』で消費者に届けることは、JA飛騨ミートに課せられた使命である。今日『飛騨牛』は全国的に知られるブランドとなってきたが、これから食品安全に対する消費者の目はますます厳しくなる。消費者に、最も安全な「飛騨牛」を提供することが重要である。「信頼」「改革」「貢献」が本会の基本理念であり、ブランドだけに頼る経営は成り立たない」と語る。
同会では今後、ISO9001とISO22000の2つの規格を運用していく。小林氏は「ISO22000(食品安全)もISO9001(顧客満足)も、どちらも重要だが、ISO22000は人の命に関わる問題を取り扱う。その“重み”は、同列に扱えるものではない。『品質』と『安全・衛生』は、きちんと分けて考えることが重要である。まずはHACCPをしっかりと構築し、それから品質管理に取り組むべきだと思う」と説明する。
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