2008年11月号
◎(株)愛知ヤクルト工場(愛知県)
最新鋭の検査装置を導入、徹底した“品質至上主義”を貫く
〜人材育成、教育・訓練も重視、地元市民に支持される企業を目指す〜
発酵乳製品「ヤクルト」「ヤクルト400」を製造している(株)愛知ヤクルト工場(落亨社長、愛知県日進市藤枝町)は、平成11年に総合衛生管理製造過程の承認を取得、HACCPに基づいた衛生管理を徹底している。さらに、本年3月には、品質の確保と設備の増強を図ることを目的に大規模な増改築、並びに最新鋭の検査装置の導入を行った。これは、ヤクルトグループが推進する国内工場の設備投資計画の一環として行われたものである。このたびの大規模改装により、生産能力は約2倍に増強され、日産100万本から190万本になった。
また、このたびの増改築に際して、最新鋭の検査装置が導入された。一例を挙げると、容器に傷やへこみがないかを検査する容器外観検査装置、充てん後の製品に異物がないかをチェックする液中異物検査装置の他、キャップ不良検査装置、インクジェットプリンター印字検査装置、金属異物検査装置などが全ラインに設置された。
(株)愛知ヤクルト工場の落亨社長は「ライン従事者全員が『ラインを止める権限』を持つ――これは私の工場管理における持論の一つでもある。ライン周りの複数箇所に、ラインの緊急停止ボタンが設置されているので、『何かおかしいのでは?』と感じた従事者は、いつでもラインを止めることができる(ただし、再スタートするには係長またはリーダーの許可を得なければならない)。」と語る。
また「食品企業は、お客様に安全と安心を提供し、信頼してもらえる商品を提供し続けなければならない。その使命がある以上、誰かが『おかしい』と感じることがあったら、それは1回たりとも見逃してならない。」とも語る。
「そのための教育は繰り返し行ってきた。(株)愛知ヤクルト工場の社長に就任してから約3年、「なぜ『おかしい』と思った時にラインを止めなければならないのか?」という理由も含めて繰り返し教育を行い、「安全・安心の提供には妥協してはならない」「『おかしい』と思った製品を市場に流通させてはならない」という意識の浸透を図ってきた。最近では、少しでも「おかしい」と思ったら、即座にラインが止められるようになっている。市場流通後に製品回収をする様な事態も起こしていない。教育の成果があらわれ始めているのだと思う。ラインを止められるということは、全員が「(株)愛知ヤクルト工場としての品質に対する考え方」を理解していることのあらわれだと思う。」と語る。
そして「当社は、工場理念として「我々は品質至上主義に徹して、お客様に満足いただける商品を提供する」「我々は品質至上主義に徹して、『良い会社ですね』と言ってもらえるように仕事をする」ということを掲げている。「良い会社ですね」というのは、わかりやすく言えば、地元に住む家族に「自分は(株)愛知ヤクルト工場に入社したい」「自分の子供は(株)愛知ヤクルト工場に入社させたい」と思ってもらえる会社にする、ということである。」とも語った。
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