カルチャーチェンジ!!
国際的な食品衛生管理「HACCPシステム」
HACCPシステムはFAO/WHO合同食品規格委員会が勧告している国際的な食品衛生管理です。HACCPシステムの法制化が進む米国、欧州連合(EU)だけでなく、これらの国に輸出する東南アジアの国々などでも「農場から食卓まで」を結ぶHACCPシステムの導入を模索し、様々な形で実践に移しつつあります。
日本でも食品衛生法の一部が改正され、HACCPシステムを取り入れた「総合衛生管理製造過程」の承認制度がスタートしました。現在の承認制度の対象食品は食肉製品、乳・乳製品、缶詰・レトルト食品、魚肉練り製品、清涼飲料水です。腸管出血性大腸菌O157やサルモネラ等の集団食中毒が増加し、対象食品以外でもHACCPシステムの導入を進める企業が増えています。HACCPシステムが業界の新たなる規制強化につながると危惧する向きもありますが、世界的な状況や、企業の社会的責任が問われていることを考えれば、自主的に取り組む姿勢が大切なのではないでしょうか。
米国NFPA副会長・コーデックス委員のデーン・バナード氏は、弊社主催の「食品企業の危機管理とHACCPシステム」特別セミナーで、アメリカのHACCPの取組を「カルチャー・チェンジ」という言葉で表現しました。つまり文化を変革するという意味で、大きな転換期になるわけです。カルチャー・ショックという言葉がありますが、これはやがてその文化になじめばショックは解消していくわけで、カルチャー・チェンジとなると文化そのものを変えなければならなりません。それ程の大きな変化の時期にあることを意味しているのでしょう。それだけに企業のトップがHACCPを理解しないことにはカルチャー・チェンジすらわからないことになります。
月刊HACCPは「食の安全性と健全性」をテーマに、原材料の生産現場から食品製造、流通、消費まで(farm to table)の一貫した食品衛生対策を柱とし、新時代に対応するための情報誌です。つきましては食に携わる全ての方々の必読書となる「月刊HACCP」の定期購読をご検討下さい。