2006年11月25日号
◎ 兵庫県赤穂市/(株)デイリーエッグ
中鎖脂肪酸を含有した特殊卵『ココナ』
兵庫県版HACCP認証で衛生管理は万全
兵庫県赤穂市で92万羽を飼養する(株)デイリーエッグでは、平成17年2月よりココナッツミルクを飼料に加えた特殊卵『ココナ』の販売を開始した。
『ココナ』の特殊卵たる所以は、通常の卵には含まれない「中鎖脂肪酸」を含有していることにある。中鎖脂肪酸は直接肝臓に運ばれるため、消化吸収が早く体脂肪になりにくい。また、母乳などにも含まれているため、幼児の栄養補給を目的に医療用途にも使用されている。同社では、100%天然植物原料でノンGMOのココナッツミルクの粉末を添加することで、中鎖脂肪酸を含有する卵の生産に成功した。ココナッツミルクを飼料に添加した卵は『ココナ』のみであり、現在製法特許の申請も行っている。さらに『ココナ』は、抗酸化作用により細胞の老化を防ぐビタミンEを通常の卵の約10倍も含有しており、近年高まる健康志向に応え、コレステロールも通常の卵に比べ約20%もカットされている。
『ココナ』は、6個入りで290円。健康志向の強い中高年層を主なターゲットに、大阪を中心とした関西圏で主に販売されているほか、インターネットによる通信販売も行っている。阪神タイガースのナイター中継の合間にTVコマーシャルを放映していたこともあり、関西圏での知名度は高い。
同社では食の安心・安全に対する取り組みも力を入れている。『ココナ』には、トレーサビリティシステムが導入されており、パックに記されたコードをデイリーエッグのホームページに入力すると、孵化育成、農場、GP、飼料、サルモネラ検査結果など、卵の履歴について確認ができる。さらに、『ココナ』は兵庫県独自の認定制度である「ひょうご食品認定制度」と「兵庫県食品衛生管理プログラム(兵庫県HACCP)」の認定も取得しており、行政からも認定された万全の衛生管理の下に生産が行われている。
同社の鈴木康喬社長は、「他の特殊卵についても順次認証取得を予定している。以前にもココナッツを飼料にした特殊卵を生産したことがあったが、当時はまだ中鎖脂肪酸が注目されておらず、大きな成果はあげられなかった。しかし、ここ2、3年で中鎖脂肪酸が世間の話題に上ったことから、もう一度やってみようと思い『ココナ』の生産を開始した。やはり、時代の要求に合致したものをタイミングよく世間に出していくことが重要であると痛感した」と語った。
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