2007年6月25日号
◎日本配合飼料(株)(神奈川県横浜市)
天然素材マリーゴールドで鮮やかな卵黄色
視覚と味覚に訴える『黄味自慢』の独自性
飼料畜産のパイオニアから総合食品企業へ──。大手飼料メーカーの日本配合飼料(株)(本社横浜、吉田和臣社長)が、フードビジネスの核となるブランド畜水産食品の開発・普及に全社を挙げて取り組んでいる。その先駆けとなったのが、消費者にとって「最も身近な食品である鶏卵」。鶏卵事業部を設置し、関係農場の生産・販売支援と、中央研究所、畜産飼料部が一体となったブランド卵の開発に本格的に乗り出したのが1995年。それから約10年、同社の基幹ブランド『緑茶カテキン卵』(赤玉6個)に続く、新たなブランド卵として『黄味自慢』(白玉10個)を開発、2005年3月に関東エリアで発売を開始した。「当時は鳥インフルエンザ騒ぎの後で、一番相場が高い時期。今思えば想定外だったが、開発した以上は販売しようと、卵がどこにもない時期にあえて発売に踏み切った」という。
『黄味自慢』は、(1)天然素材のマリーゴールド(花弁粉末)とトウモロコシで卵黄色を鮮やかな黄色に仕上げた、(2)生卵の状態では変化しないが、加熱調理後も卵黄色の退色が抑制され、鮮やかな黄色が保たれる、(3)栄養機能食品の表示をすべく、ビタミンDを通常卵の三倍(120IU)移行させた──が商品開発の基本コンセプト。特定の栄養成分強化を謳った従来の特殊卵とは一線を画して、よりシンプルでわかりやすい、視覚(鮮やかな卵黄色)と味覚(おいしさ)による違いを前面に打ち出している。商品名の「黄味」(“黄身”ではない)も、その商品特性を明確に表わすもので、「自慢」という言葉には、見た目やおいしさだけではなく、品質、安全性、環境保全の面からも「自信を持って供給したい」とする同社の思いが込められている。
生産農場では、同社独自のノウハウで配合設計した専用飼料を給与するほか、採卵期間を145〜550日齢に限定、強制換羽は一切実施していない。鶏種はハイラインマリアを主体に飼育し、卵殻強度が高く、破卵率が低い鶏卵の生産に努めている。初生雛、飼料原料まで遡ることができる厳格なトレーサビリティも、飼料会社ならではのこだわりといえるだろう。
卵黄色については、赤身が強いカラーファン13〜14のブランド卵が増える中、あえて11〜12に設定した。「卵黄を崩すと鮮やかな黄色いエキスが現れる。お客様からは『きれいな黄色ですね』と評価の声をいただいている。『黄味自慢』なら料理の彩りは一層鮮やかになるし、作る人にも食べる人にも喜んでもらえるのではないか」と小川氏。販売先は今のところ量販店が中心だが、『黄味自慢』の商品特性を活かせる市場として、素材にこだわるカステラメーカーなど、加工関係との取引も徐々に拡大したい考えだ。小川課長代理は「地に足を着けて取り組みたい」と話す。
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