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伊賀の山間部に農場をかまえるとよさ(株)は、エコフィードを中心とした独自配合飼料を用いて「伊賀とよさ豚」を生産している。
「伊賀とよさ豚」は、甘みをもたせた脂身と霜降りの入った柔らかい赤身が特徴の銘柄豚。とよさ代表取締役社長の前田豊作氏は、目指した肉質について「私は豚肉が好きですが、脂身が苦手でした。そこで、くどさのないサラッとした口溶けの脂身を持った豚肉を作りたいという思いがありました」と話す。
品種はLWDの三元交配で、種豚はすべてハイポーを採用。とよさ代表取締役社長の前田豊作氏が自身の作りたい豚肉をイメージしながらさまざまなメーカーの種豚や品種を試していく中で、求める肉質にいちばん合ったのがハイポーだった。現在は母豚210頭の一貫経営を行っている。
また、「伊賀とよさ豚」の大きな特徴は資源循環を目指したエコフィード飼料の給与にある。生麺やお菓子など、さまざまな残さを取り入れ、栄養バランスを計算しながら供給。手に入る材料は時期によって変動するが、都度微調整を行っている。さらに、合鴨農法で作られた無農薬の米と野菜を添加している。すべてとよさで生産しているもので、これら農産物や豚の育成においても伊賀の名水は欠かせないという。離乳期から35kgまでは配合飼料を使い、この飼料は出荷までのステージで供給している。
豚舎は開放式で、盆地ならではの気候で寒暖差が大きく、決して飼いやすい環境ではないが、前田氏を含めた従業員全員が毎日豚と向き合い、少しの体調の変化も見逃さないようていねいに育てている。また肥育日数を180日とすることで、前田氏の求める柔らかい肉になっている。
愛知県常滑市に本場を置く(株)知多ピッグ(都築周典代表取締役)は、銘柄豚「知多ポーク」の精肉や加工品、惣菜などを取り扱う直売所「とんとことん」を2024年11月にオープンし、地元の消費者を中心に多くの注目を集めている。
とんとことんは本場からほど近い小高い丘の上に建てられ、店舗とともに精肉スライスなどを行う加工場が隣接されている。広々とした駐車スペースも用意され、多くの来客に対応できる。直売所の設立に向けて本格的に着手したのは2022年のこと。もともと所有していた農地を転用して立地を確保するとともに、六次産業化への支援策である和令5年度農山漁村発イノベーション整備事業も活用し、計画を着実に進めていった。一方で、精肉をカットする職人の人材確保が難航していたが、2024年4月に3人の息子の一人である都築大輝さんがとんとことんの運営に携わることとなり、精肉カットなどの修行を経て、現在は統括責任者を務めている。
店舗では1カ月当たり約80頭分を販売。ロース、バラ、肩ロース、モモなど定番部位のスライスや、トンカツ用に厚めにカットされたものが並ぶ。加工品は無添加ハム、ベーコンやあらびきソーセージ、チョリソーといった定番商品や、餃子、春巻き、焼売といった中華料理の商品もラインナップされている。また、店内で調理されるコロッケやメンチカツ、トンカツ、フランクフルトは豚肉の旨味を存分に感じることができ、オープン当初から人気を呼んでいる。そのほかレバーや直腸、ノド軟骨など、煮込み料理や焼肉に適した食材が購入できるのも魅力の一つだ。さらに、キャベツや白菜をはじめブロッコリーやトマト、またイチゴなど果物、米といった農産物の委託販売も展開しており、さまざまな食材を購入できる場となっている。
今回豚肉を提供したのは群馬県・下仁田ミート(株)、愛知県・(有)アクティブピッグ、北海道・(有)道南アグロ、宮崎県・宮崎ブランドポーク普及推進協議会、福島県・木野内ファーム、熊本県・淋種豚場の6農場で、いずれも生産者がステージに上がり、肉の特徴や生産のこだわりについて説明。また長野県・(株)あずみ野エコファーム、熊本県・農山畜産/モンヴェール農山、秋田県・(有)細川農興からそれぞれ加工品の試食提供も行われ、いずれの時間帯も長蛇の列ができるとともに、口にした来場者からは「美味しい」「柔らかい」といった声が聞かれた。
一般社団法人日本養豚協会(JPPA)青年部会(石川貴泰青年部会長)が主催する、国産豚肉の消費拡大イベント「JAPAN PORK FESTIVAL 俺たちの豚肉を食ってくれ!」(通称:俺豚)が2024年11月24日、東京・秋葉原電気街の商業ビル・ベルサール秋葉原1階で開催された。
俺豚は、日本産豚肉のブランド確立と豚肉需給拡大を目的とした一大イベント。運営や企画進行の大部分を青年部会が担い、全国の若手養豚従事者や業界関係者の間をつなぐネットワークづくりの場としても発展してきた。今回も全国から若手養豚生産者らが集結し、銘柄豚のしゃぶしゃぶ試食提供などを行った。
今回豚肉を提供したのは群馬県・下仁田ミート(株)、愛知県・(有)アクティブピッグ、北海道・(有)道南アグロ、宮崎県・宮崎ブランドポーク普及推進協議会、福島県・木野内ファーム、熊本県・淋種豚場の6農場で、いずれも生産者がステージに上がり、肉の特徴や生産のこだわりについて説明。また長野県・(株)あずみ野エコファーム、熊本県・農山畜産/モンヴェール農山、秋田県・(有)細川農興からそれぞれ加工品の試食提供も行われ、いずれの時間帯も長蛇の列ができるとともに、口にした来場者からは「美味しい」「柔らかい」といった声が聞かれた。
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