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2015年12月25日号
◎(有)北川鶏園
鶏卵品質改善共進会で2年連続大臣賞 若鶏に限定した「ぷりんセス・エッグ」
「ぷりんセス・エッグ」は60週齢までの若鶏に限定した、「ぷりんぷりん」のハウユニットが最大の特徴だ。卵白の気泡力の高さは材料を厳選する洋菓子業界から高く評価されている。代表の北川貴基氏は「ケーキ屋さんを中心に営業をかけていた時、専門的なことをいってもまったく相手にされなかったけれど、千葉の洋菓子業界のドンのような人に気に入ってもらってからは、口コミでどんどん広がっていった」という。
大手飼料メーカー出身のコンサルタントに設計を依頼している指定配合飼料は、「同業者から『ぜいたくだ』といわれている(笑)」。水はミネラル豊富な地下水を給与し、顧問獣医師の指導の下に衛生管理も徹底している。 2015年11月25日号
◎(農)セイメイファーム
飼料用米を26%配合した「こめそだち」 50周年を迎えさらなる安全確保を図る
現在は「CPではなく、必須アミノ酸の強化とバランスを重視した飼料設計」(嶋田氏)で、主要原料のトウモロコシは米国イリノイ州の契約農家から直接搬入。25トンタンクを12基設置し、各原料をコンピュータで集中制御しながら配合する。魚粉やゴマを豊富に配合することで、ビタミン群全般を一般卵の約2倍に強化。自社ブランドの「こめそだち」には飼料用米を26%給与している。
平成13年には「HACCP対応の養鶏と鶏卵の加工」で第50回日本農業コンクール(主催:毎日新聞社)の名誉賞を受賞。生産・加工現場の衛生管理を徹底し、育雛段階でのワクチネーションやコールドチェーン販売など、生産だけでなく、流通までを見据えた安全管理にいち早く取り組んだ。 「ガリバー10社がいれば国内の卵が全部賄える中で、我々のような規模の経営体が生き残るためには、自分達で付加価値を付けて販売していくしかない」という嶋田氏。長年にわたって培われた技術を基に、これからも鶏卵と加工品で特徴ある製品を作り続けていく方針だ。 2015年10月25日号
◎(株)岩手ファーム
HUが90超の「岩手山高原たまご」 健康な鶏のために環境を整備する
同社ではHUを鶏種別、日齢別に加えて、5℃、15℃、18℃、30℃という4段階の温度設定で継続的に調査。456日齢でも93、夏場でも90を切ることがないというHUは、「自然環境とトンネル換気など飼養環境の整備の成果」だという。 中村氏は「消費地から遠く物流コストが掛かるので、価格競争ではなく品質で勝負するしかない。良いものを適正価格で買ってもらうためにも、徹底した品質管理が欠かせない」として、これからも農場だけでなくその周辺まで含めた飼養環境の整備を続けていく方針だ。 2015年9月25日号
◎(株)野上養鶏場
600件以上で使われる「味宝卵」 接客重視で「食べた人を笑顔にする」
使用する飲食店からは「地域に広く知られているので、『味宝卵を使っている』と店内でPRしたらそのメニューがよく出ます」や「黄身の味がしっかりしているので、スイーツに使いやすい」、個人の顧客からは「臭みがないので、卵が苦手な子どもがこの卵だけはおいしいといって食べます」などの声が寄せられている。 2015年8月25日号
◎(有)山梨鶏卵市場
蛍光レモンイエローの鮮やかな卵黄色 県産飼料用米を配合した「天使のたまご」
「天使のたまご」をはじめとするブランド卵や、厚焼きたまごなどの鶏卵加工品の卸・販売の同社は8月1日付けで北杜市の採卵鶏農場の経営権を取得した。 細川氏は、鶏ふんを使った循環型農業への思いや、「自分で売る特殊卵は自分でつくりたい」という思いを持っていた中、NPO法人「えがお・つなげて」(主宰:曽根原久司さん)との出会いが転機になった。「えがお・つなげて」のコンセプトは「地域資源活用型産業社会」。企業と提携したレンタル農園や木質バイオマスエネルギーでの大学との学習交流など、その活動範囲は多岐にわたる。 北杜市の旧明野村は耕作放棄地にヒマワリを植え、今ではフェスティバルを開くほどの名物になっている。細川氏は、ヒマワリの種を鶏の飼料に活用できないかと考えた。カロリーが高過ぎるなど、現段階では鶏の飼料としては課題も多いが、来年度から飼料化の試験に着手するつもりだ。 本業の卸では新たなスタイルの販売法に着手し、卸受難の時代でも「商機はある」と言い切る細川氏。多くの具体的な目標を定めている。 2015年7月25日号
◎(有)かわなべ鶏卵農場
国産鶏もみじとさくらの「多摩のかがやき」 27年度国産鶏飼養優良農家表彰受ける
先代が昭和35年の庭先養鶏開始とともに直売もスタートさせ、後を継いだ重美氏が「多摩のかがやき」をブランド化、販路を開拓してきた。国産の採卵鶏とともに肉用鶏の東京しゃもの飼育も始めたほか、農業の新しいビジネススタイルを展開する国立ファーム(有)とともに飼料用米を使った黄味の白い「ホワイトたまご」を共同開発するなど、自給率向上に向けた先進的な取り組みが高く評価されている。
重美氏は現状について、「青梅市でも商業施設の大型化が進んでいるが、大型店は需要があると見込んでいるからこそ進出してくるのであって、市場はあるということ。だからといって、うちが大手と同じやり方をしても意味がない。増羽や大型化ではなく、『かわなべの卵はおいしい』『前よりもっとおいしくなった』といってもらえるような卵をつくっていきたい」と今後を見据えている。 2015年6月25日号
たまニコ料理甲子園決勝大会
審査委員長の牧野直子氏(料理研究家)は講評で「ふわ玉」について、「卵白・卵黄・全卵をそれぞれに使い分けて食感に変化がある。彩りも良く見た目もいい」と高く評価した。 2015年5月25日号
◎(有)桂ファーム
鶏の健康を重視した「産みたてたまご」 味と品質のために飼料と水と管理を追求
「地域に根差した持続可能な経営」を掲げる同社は、1991年に法人化。法人化前の昭和30年代から開いている直売所では地域の農家が生産した花や野菜、産地ならではの狭山茶コーラも販売し、「地域のお客さんが親子代々通ってくれている」(栗原拓也氏)こともあって、年に9万人が訪れるという。
これらの働きが鶏の腸内環境を改善することに加えて、社員が毎日2回、鶏舎を巡回して一羽一羽の健康状態をチェックするという丁寧な飼養管理によって、「産みたてたまご」は卵独特の生臭さが少なく、甘味とコクの強い卵になっている。 病害虫に耐性ができることを防ぐため、空舎時の清掃もエサ樋まですべて分解してスチーム洗浄するという徹底ぶり。酵素という科学的な方法と、人の手による巡回チェックと洗浄は、ともに手間ひまが掛かるが「持続可能な経営」のためには欠かせないとして続けている。 2015年4月25日号
◎(有)ブラウンエッグファーム
直売店「ちゃたまや」をやっていなければ 今のブラウンエッグファームはなかったと思う
昨年2月の大雪では、採卵経営の根幹である育雛・育成舎3棟が倒壊、鶏ふん処理施設も甚大な被害を受け、この1年間は自家育成を断念。初生ひなの購入先である(株)小松種鶏場、農事組合法人会田共同養鶏組合の協力を得て、大びな導入で急場を凌いだ。
苦難の時に経営を支えてくれたのが、直売店ちゃたまやだ。「おかげさまでお客さんがいつも絶えない。村の人口は6000人しかいないけど、卵だけで1日1万〜1万2000個、村の人口の2倍の卵が毎日売れている」という。卵の直売を成功させる秘訣は「卵の味。毎日食べたいと思うかどうかが一番だ。ちゃたまやをやっていなければ今のブラウンエッグファームはなかったと思う」と滝沢社長は話す。 4月23日にはちゃたまやの隣に「長年の夢だった」飲食店をオープン。結果的に2000人の試食を経て味を調えることで、顧客のニーズに合わせる努力をした。 2015年3月25日号
◎(有)オオガキ
エンリッチドで甦った「いわき地養卵」 鶏の健康に配慮した生産体制を構築
「たまごの郷」はもともと福島県の大熊町にあったが、東日本大震災により農場と直売所は壊滅的な被害を受け、さらに福島第一原子力発電所の事故が発生。農場が原発から5キロメートルのところにあったため立ち入ることができず、大柿氏は茨城県牛久市への避難を余儀なくされ、避難生活は2年余りに及んだ。その後再起を目指し、2014年5月に事業を再開した。 鶏舎には、アニマルウエルフェア対応のエンリッチドケージを採用。「お金は掛かるものの、薄飼いなので産卵成績が以前より向上した」という最新設備のほか、地下100メートルの井戸水の軟水化や夏場対策としてのクーリングパドの導入など、「鶏の健康に配慮した」生産体制を構築した。
「たまごの郷」では地養卵の赤玉「極」、赤玉の「郷のあさひ」、地養卵の白玉「めぐみ」、温泉卵、燻製卵などのほか、20層に積み重ねた長さ45センチの「なが〜い かすてらくーへん」や、「郷のロールケーキ」、「えっぐプリン」などのスイーツも販売。スイーツはすべて自社で製造している。オープンから1年足らずで、週末には一日400人が来店する人気店になったが「今は卵が足りないくらい。これからは生産を増やすことも考えないと」という大柿氏の目は、すでに今後を見据えている。 2015年2月25日号
◎(有)城山鶏園
最高の環境から生まれる「奉寿蘭」 雌雄混飼、放し飼いの高品質有精卵
パックに描かれたイメージの通り人の手で集められた奉寿蘭は、「最高の環境で健康な鶏が生む卵」(加藤奉文代表)。オランダ原産のネラを開放鶏舎で放し飼い。メス20羽に対しオス1羽の混飼で有精卵――「最高の環境で健康な鶏が生む卵」を生産している。 加藤氏は養鶏を始めて50年で、かつてはケージ飼いをしていた。しかし、農場の周りに住宅が増えてきたことから環境問題に取り組み、辿り着いたのが鶏舎床面に30センチ厚のオガクズを敷き詰める今の放し飼いだった。この方法で「オガクズがふんの水分を吸着・分解するのでにおいも出ず、ふんも出ず、環境問題の解消につながった」。
こうした飼養環境に加え、飼料はNON-GMOトウモロコシを中心に、茶の粉末やニンニク、ビール酵母、生野菜などを配合することで「卵殻が強くなり、やや甘く濃厚な卵になる」。飼料は原料も配合割合もすべて開示。「理念に賛同してくれる消費者だけに届けたい」と思いから、卸は一切していない。 2015年1月25日号
◎岡本養鶏場
燃える命の滋養鶏卵「いのち紅卵」 食べた人に元気になってもらう卵
同社では、ビタミンバランスを考慮してコリンや葉酸などを配合した独自開発の生菌飼料や、平成の名水百選に選ばれた久留里山麗の井戸水での飼育を続けている。また、「自分で売れる分だけを作る」という考えの下に他社GPセンターへの出荷をやめ、最大4万羽弱いた鶏を1400羽まで大幅に減らしたことで、1ケージ1羽飼いという「鶏が伸び伸びと育つ清潔な環境」(岡本専務)を実現させた。 こうして生まれた「さくら満開卵」は、一般卵の10倍のビタミンEを含む「天然サプリメント」として人気に。その名称は「満開のさくらを見た時のような喜びと感動を感じていただけたら」という思いからきている。
その岡本養鶏場が2015年夏、「燃える命のイメージ」で新たに発表したのが「いのち紅卵」(くれないたまご)。ビタミンEが一般卵の約10倍という「さくら満開卵」よりさらに「濃い味・コクのある紅卵」は、ホームページのバナー上でも、熱い命の炎で燃えている。 同社では、モウルドパック内でも輸送中に割れないよう卵と卵の間にエアキャップを挟むという、きめ細かな顧客サービスも行っている。 | |||||||
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