2018年12月25日号
◎(株)平野養鶏場
ヒラノのタマゴ最上位ブランド「輝黄卵」 濃厚に艶めく黄身とプリプリ感のある白身 250日齢までの若鶏に、アルファルファミール(緑草粉末)やβカロチンを含む天然パプリカ、上質の魚粉、メチオニンなどを特別配合した飼料を給与し、カラーファンを14以上に設定した「輝黄卵」は、(株)平野養鶏場(福岡市、平野徹社長)が生産するヒラノのタマゴの最上位ブランドだ。「せっかくおいしい卵をつくっても他の卵と一緒に扱われる状況を打破すべく」、平成7年に小売店を一軒一軒回ってヒラノのタマゴのおいしさを伝えていったのが始まりという。 昨年12月には農場HACCP認証を取得。と同時にGPセンターHACCPへの取り組みも開始した。平野氏は「それまでは私が従業員に何を言っても変わらなかったが、農場HACCPに取り組むことで例えば防鳥ネットの整備を提言してくるようになったなど、確実に問題意識が向上してきた」という。育成舎から成鶏舎への移動後や成鶏舎からのアウト後には1カ月の空舎期間を置き次の入雛に備えるなど、衛生管理も徹底している。 2018年11月25日号
◎数馬養鶏農場(東京都八王子市)
甘みとコクがあり生臭くない「数馬のたまご」 安全性を確保しスーパーでも無洗卵で販売 かつては十数戸の養鶏家がいたという東京都八王子市。しかし宅地化が進み、今は3件だけになってしまった。そのうちのひとつ、数馬養鶏農場(数馬武治代表)の農場は滝山城址を巡るハイキングコースのすぐ脇にあり、高品質の飼料ときめ細かな飼養管理で「数馬のたまご」を生産している。 一般的に、安全第一のスーパーでは卵は洗卵されたものを温度管理した上で販売しているが、「数馬のたまご」は無洗卵でもスーパーで販売されている。「バイヤーが卵に詳しい方で、無洗卵の利点も知っていた。バイヤーの方の働きかけにより、毎月サルモネラ検査を行うことで安全性を確認し、販売できるようになった」。 2018年10月25日号
◎本松養鶏場
EM菌を配合しコクと甘みのある「ゆう地卵」 手作りお菓子の「たまごハウス」で全量を販売 八木山の峠道にある手作りお菓子の店「たまごハウス」には、イートインスペースでの取材中にも次から次へとお客さんが訪れていた。 本店の売上げは年間1億円弱。イベント開催時の来客数は数百人単位に上るという。福岡市内には支店もできた。 これらの土台になっているのがブランド卵「ゆう地卵」だ。 ゆう地卵の飼料にはEM菌などを配合。鶏の腸内菌叢を健康に保つことで卵黄と卵白の盛り上がりが良く、生臭さがなくコクと甘みのある卵になっている。 2018年9月25日号
◎(有)瀧田養鶏場
純国産鶏で薄飼いの「秋田のもみじ卵」 バラエティに富んだ直売で売上げ伸ばす 「秋田のもみじ卵」を生産する(有)瀧田養鶏場(秋田市、瀧田稔社長)は平成15年に最初の直売専門店「たまごの樹」をオープンして以降、現在は3店舗まで拡大している。 「卵に関するものなら何でも」(瀧田氏)というほどアイテムは幅広く、しかも「年に2つずつ増やしている」ため、平成15年のオープン当初は卵とプリンと菓子数種類しかなかったのが今では100近くにまで増えた。 卵は正月の「寒卵」に始まり、晴れの日の「慶」、卒業・入学シーズンの「さくら」、夏の「こもれび」、秋の「もみじ」、冬の「ぶなの森」など、季節に合わせてネーミング。9月は「秋彼岸たまご」と「敬老の日たまご」。生み始めのものは「安産祈願卵」、サイズの不揃いは「ずっこけ卵」など、手書きのポップでとにかく付加価値を付けて販売する。 FFCとは、太古の海水中に豊富に溶存していたもので、生理機能上欠かせない作用をもち、生命力を高める役割を果たすという。導入することで、鶏自身がベストの健康状態に保たれ、健康な鶏から健康的なたまごが生産される。 FFCテクノロジーを活用すると顕著に向上するのが鮮度保持力。割卵した状態での卵黄膜の維持が試験の結果、市販卵の2倍あることが判明している。その他にも、鶏ふんの質も非常に良く、鶏ふん肥料である「パイグリーン」は連作障害が抑えられ、大きく立派な野菜が収穫できると評判だ。現在、成分を検査中であるという。 2018年8月25日号
◎(株)鳥鹿養鶏園
鮮度保持力と味に優れた「パイエッグ」 育成期からGPの洗浄水までFFCを活用 「パイエッグ」は、(株)鳥鹿養鶏園(本社津市、伊藤正徳社長)の140年にわたる、卵の質に対するこだわりとFFC(水溶性二量体鉄塩)テクノロジーシステムが生んだ最高品質の卵。 飼料は厳選を重ねた非遺伝子組替(Non-GMO)原料で、可能な限り国内産の原料を使用している。抗菌剤や抗生物質を一切使用しない、オリジナルの自家配合飼料で卵のおいしさを追求している。 FFCとは、太古の海水中に豊富に溶存していたもので、生理機能上欠かせない作用をもち、生命力を高める役割を果たすという。導入することで、鶏自身がベストの健康状態に保たれ、健康な鶏から健康的なたまごが生産される。 FFCテクノロジーを活用すると顕著に向上するのが鮮度保持力。割卵した状態での卵黄膜の維持が試験の結果、市販卵の2倍あることが判明している。その他にも、鶏ふんの質も非常に良く、鶏ふん肥料である「パイグリーン」は連作障害が抑えられ、大きく立派な野菜が収穫できると評判だ。現在、成分を検査中であるという。 2018年7月25日号
◎(有)石井金原養鶏ねごやファーム(神奈川県)
コクと甘みの「津久井ふるさとたまご」 30年度国産鶏飼養優良経営農家表彰を受賞 国産鶏のもみじとさくらで「津久井ふるさとたまご」を生産する(有)石井金原養鶏ねごやファーム(神奈川県相模原市、石井好一代表)が、国産鶏普及協議会の平成30年度国産鶏飼養優良経営農家表彰を受賞した。生産する卵のほぼ全量を直売で売り切り、鶏ふんをすべて自社の畑に還元するという循環型農業が高く評価された。 「津久井のふるさとたまご」の飼料には、ポストハーベストフリーのトウモロコシや国産の魚粉など厳選した原料を配合。くさみがなく白身には弾力があり、「コクと甘みがあってマイルドな卵」になっている。また、「卵殻の固い卵にしたい」という思いから初生雛を年6回導入し、約400日齢という短期間でアウトするなど、「もったいないかもしれないけれど、納得して売るにはそれしかない」という信念を貫いている。直売所でも、「割れないから」という理由で、パックではなくネットで販売している。 2018年6月25日号
◎ノーザンノーサン
宝が降る”平飼い卵「イコロラン」 北海道産の飼料で澄んだ甘みの味に 地元の石狩市や北海道内の副産物を活用し、平飼い有精卵「イコロラン」を生産するノーザンノーサン。「イコロ」はアイヌ語で「宝」の意味で、「この卵が皆さまを幸せにしますように、食卓で宝となりますように」という願いが込められている。 CEOの岩城国男氏はサラリーマンを経てミニトマトの生産者として就農。「循環型の農業をしたい」という思いで採卵養鶏を始めたのは9年前。「より自然に近い環境で育てるため」、手づくりの開放鶏舎で雌雄混飼の平飼いにしている。初生雛から完全な無薬で育成しているが、岩城氏は「鶏は健康そのもので、雄がいるので女子力がアップしているのでは」とみている。 飼料原料は「ほぼすべてが北海道産」。製粉会社からそば粉微粉とふすまを、コープさっぽろの食品工場などからおからを、業務用米飯会社からは米ぬかなどを提供してもらっている。 岩城氏は「地域資源を使うことで、卵と鶏ふんという自然の循環だけでなく、原料を提供してくれる人に卵を食べてもらうことで都市と農村の循環もできる。自然と社会がともに循環できるあり方を目指している」という。 2018年5月25日号
◎遠藤農園
特栽米と無農薬野菜を給与した「おぼろ月」 国産鶏もみじを低密度の開放鶏舎で平飼い 有機特別栽培米と年間約60種類の野菜を生産する遠藤農園(埼玉県加須市)が、3年前から国産鶏・もみじの平飼いを開始した。 自然薯やマコモダケ、うこん、パクチーなども手掛ける多品種少量栽培で、園主の遠藤益男氏はUVカットハウスやコンパニオンプランツ(同じ場所に植えることで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせ)、生物農薬(天敵昆虫等)、誘引粘着といった独自の栽培法を追求してきたが、鶏は初めての経験のため、「生き物相手は楽しい」とはいえ苦労の連続だったという。 2018年4月25日号
◎嶋ア博子養鶏場
南国の恵みで育つ「土佐ジロー玉子」 小振りな中に大きな卵黄と濃いうまみ 水平線の広がる太平洋を目前に、潮風と太陽の日差しいっぱいの環境で嶋ア博子養鶏場(嶋ア博子代表)の土佐ジローは飼養されている。自然あふれるストレスのない環境で、鶏にも人にも安心・安全・清潔にこだわった卵と肉は多くの顧客の支持を獲得している。 昭和54年に作出がスタートした土佐ジローは、60年に高知県原産の天然記念物土佐地鶏の雄と米国原産のロードアイランドレッドの雌という交配様式が決定され、63年から普及が開始された。 嶋ア氏は平成18年1月から土佐ジローの飼育を始め、現在、約1400羽の土佐ジローを飼養している。 2018年3月25日号
◎(有)ニシモト
コラーゲンネッカリッチ卵「炭たま」 卵本来の豊かな味わいとコクで大好評 (有)ニシモト(本社高知市、西本樹生社長)が販売するコラーゲンネッカリッチ卵「炭たま」はシイやカシの樹皮から作られた木炭粉と木酢液をミックスしたネッカリッチ(販売:宮崎みどり製薬(株))を贅沢に加えた飼料で元気に育てられた鶏が産んだ卵だ。 ネッカリッチを含む飼料を食べた鶏の消化管では乳酸産生菌が増加し、腸内環境が改善。感染予防に効果があることが報告されており、腸内環境の改善によりアミノ酸などの消化吸収効率が高まり、健康な鶏の体へと結びついている。 さらに、一般的に卵黄や卵白といった可食部にはコラーゲン自体が存在しないとされていたが、英国家禽学会誌「British poultry Science」で発表された論文によると、森林ミネラルを多く含むネッカリッチを鶏に与えることでコラーゲンが含まれるようになることが明らかとなっている。卵本来の風味豊かな味わいとコクがあり、潤いをもたらすコラーゲンの元となるアミノ酸も増加している。 2018年2月25日号
◎(有)金江養鶏場
地元の特産品を給与した「金の桑卵」 桑の葉の成分で黄身がぷりぷり濃厚に かつては養蚕団地といわれた香川県さぬき市の大川町。しかし近年は養蚕が廃れ、管理者の高齢化もあって放置される桑園が増えてきた。こうした状況をなんとかしたいと立ち上がったのが、同市に農場がある(有)金江養鶏場の金江信宏氏だ。 金江氏は桑の葉のDNJ(1-デオキシノジリマイシン)という成分に着目。「DNJは桑の葉にしかなく、血糖値の上昇や血圧上昇の抑制、血中脂質の抑制などの効果がある」として、桑の葉を細かく粉砕して指定配合飼料に添加。さらに独自開発のプレミックスを加えることでブランド卵「金の桑卵」を完成させた。 桑の葉は鶏の食欲を刺激し、エサをたくさん食べるようになるという。その分、飼料代は余計にかかるものの、同社はもともと卵について「毎日使うものだからおいしく健康なものを届けたい」として、鶏の健康を第一にしてきた。「健康な鶏が生む健康な卵で元気をつなぐのが私たちの使命」と言い切る姿勢が、地域の桑の葉が持つ健康成分とマッチした。 2018年1月25日号
◎(有)緑の農園
指でつまめる濃厚な「つまんでご卵」 徹底した対策で鶏に「最高の環境」を 「鶏だって狭いのは嫌いだし悪臭はつらいし、自由に歩き回って止まり木で眠りたい」。そんな鶏にとって「最高の環境」を目指し「つまんでご卵」を生産している(有)緑の農園(福岡県糸島市、早瀬憲太郎社長)は「卵は環境が8割、エサが2割」として、「無公害鶏舎」という飼養環境を整備している。 早瀬憲一専務は、におい、ハエ、騒音、汚水、ホコリを「5大公害」と位置付け、その対策に力を入れている。壁は妻側一面のみ、あとはカーテンだけという風通しのいい開放鶏舎で、坪羽数13羽という極めて低密度の平飼い。 こうした環境で暮らす鶏はストレスもなく、「救命の甲高い鳴き声がしないため騒音の問題も解決できる」(早瀬専務)という。 その上で、100日齢での導入や独自開発のプレミックスを配合した飼料など「残り2割」も徹底的に追求した結果、産卵率も安定。早瀬専務が「信頼できる」という技術力の高い孵化場でのサルモネラワクチンの接種やトレーサビリティ可能な国産の飼料用米など、安全性も追求している。 指でつまめる黄身という見た目のインパクトは、こうした緻密な飼養方法に支えられている。 | |||||||
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