鶏卵肉情報 進化するブランド

2019年7月25日号

◎(有)東康夫養鶏場
九州宮崎えびののこだわり卵「康卵」
張りがあり、コクと甘みの強い卵に


飼料と水に電子でイオンをチャージし、体内にマイナスイオンを取り込ませることで鶏を健康にするという(有)東康夫養鶏場(宮崎県えびの市、東康夫社長)。昭和48年に山の中腹を切り開いて創業した当時は「農薬や抗生剤の使用が普通で、危険性を指摘する声もなかった」(東社長)という。しかし、どれだけ薬を使って消毒しても病気がなくならない状況に疑問を抱き、「農家がなによりも食品の安全性を考えなければ将来を担う子どもたちの未来はない」として、「いかに化学物質に頼らず、安全でおいしい卵を提供できるか」をテーマに試行錯誤を重ね、たどり着いたのが電子チャージだった。

さらに、「卵の76%は水分なので水が良くなければいけない」と霧島山麓の地下150メートルから汲み上げたミネラル豊富な地下水を使用。飼料には枯草菌や乳酸菌などを含むEM菌を配合し、鶏の腸内細菌を活発にすることで飼料の吸収率を上げるとともに鶏舎の悪臭も軽減させている。



2019年6月25日号

◎卵ラン農場ムラタ
健康な鶏が生む「卵ラン農場の平飼い有精卵」
雛を環境に慣れさせ北海道産飼料を自家配合


長沼町の道の駅「マオイの丘公園」から脇道に入ると、広大な丘陵の一面にクローバーが生え揃い、ヤギがのんびりと散歩をしている。これぞまさに北海道という雄大な景色の中に、卵ラン農場ムラタ(村田博美代表)がある。

ぜいたくな密度の平飼い、道産の小麦と生米ぬかを主体とした飼料の自家配合といったより自然に近い飼養法は、実は綿密な理論に裏打ちされている。 冬はマイナス15〜20 °Cという厳しい冷え込みになる地域性を考慮し、鶏は「初生雛で導入して寒さに慣れさせる」(村田氏)。雛はオガクズと米ぬかを使った発酵床で育て、最初の3日は玄米を、その後は笹の葉を細かく粉砕して給与することで内臓を鍛えるという。

成鶏舎は手作りのビニールハウスで、重視しているのは「床を湿らせないこと」。ここでポイントになるのが薄飼いだ。「密飼いは病気の元で悪臭の原因にもなる」ため1坪当たり10〜12羽しか入れず、鶏がのびのびと歩き回る。 初生雛の段階から環境に慣れさせ、ストレスのない環境でコストの掛かる飼料を給与した結果として鶏が健康になり、自然な色の卵黄を持った卵が生まれる。卵白の盛り上がり方も強力だ。添加物等は一切使っていない。

こうして生まれた「卵ラン農場の平飼い有精卵」は2008年の洞爺湖サミットでも紹介されたほか、札幌のホテルや有名レストランなどでも使われている。



2019年5月25日号

◎(有)柿沼商店
甘みとコクが段違いの「かきぬまさんちのたまご」
オリジナルブレンドの飼料で腸内細菌叢を整える


創業64年の(有)柿沼商店(栃木県栃木市、寺内実社長)が生産する「かきぬまさんちのたまご」は、飼料に黒ゴマと白ゴマ、乳酸菌、微生物などをオリジナルブレンドして加えている。この飼料は鶏が選り好みをしないよう、3回に分けて給餌している。鶏の腸内細菌層を整えることで、「かきぬまさんちのたまご」は甘みとコクの強い卵になっている。

食味検査と成分分析では「口に入れてから食べた後まで長く旨味が持続し、余韻がある味わいの卵」や「ミネラルバランスに由来する隠し味を含んだしっかりした味」などと分析された。「大量に割卵するお菓子屋さんには、小麦粉と合わせて撹拌する際の風味が全然違うと言われる」(寺内氏)ほか、サブレ、玉子焼き、茶碗蒸しなど、和食・洋食のプロからも高い評価を得ている。



2019年4月25日号

◎(有)花井養鶏場
発酵飼料のプロバイオティクスを採用
元気な鶏が生む「野菜たまご元気くん」


約30年に渡り地元・愛知県大府市で「野菜たまご元気くん」を生産している(有)花井養鶏場(花井千治社長)は「安心安全のこだわり5か条」として、安全で清潔な卵や元気な鶏などを追求している。

中でも「元気な鶏」については、早くからプロバイオティクス健康法を採用。かつお節や地元産の飼料用米、小豆、菓子パンなどを自社の発酵機によって60 °Cで48時間発酵(酵母菌)させ飼料に5〜10 %程添加し、鶏の腸内環境を整えている。かつお節は、そのままでは餌としては水分含有量が多すぎるが、発酵させ水分量を減らすことで飼料化している。

発酵飼料を給与することで人間が毎日納豆を食べるとの同じように消化吸収が改善され、鶏が健康になることで卵の味と品質が良くなり、卵の生臭さがなくなり、鶏ふんのにおいが軽減する効果もあるという。



2019年3月25日号

◎ヤマサキ農場
高知特産のゆずを添加した「ゆずたま」
電子イオン水やn-GMOで鶏を健康に


特殊卵をつくる時に飼料から考える生産者は多いが、ヤマサキ農場(高知県南国市、山崎吉恭社長)は「卵は75%が水分で生成されている」として、まず水に着目。上水に一定の特殊な微弱電流(電子)を加えた電子イオン水を給与している。電子イオン水は体内に吸収されやすく新陳代謝を活発にするため、鶏と人の健康につながるという。さらに一部には高知県室戸沖で取れるミネラル豊富な海洋深層水も添加している。

「ゆずたま」は馬路村産のゆずを最大限に生かすため、飼料や水に添加する一般的な方法とはまったく異なる方法で、さわやかなゆずの香りをまとわせた(製法は特許出願中)。飼料と水を徹底的に吟味しているため「卵臭さはまったくない」(山崎氏)。

「ユズがほのかに香る卵『ゆずたま』の取組」は、フード・アクション・ニッポンアワード2015の商品部門〔農林水産業分野〕で入賞を果たした。山崎専務は「卵は好きだけど生は卵臭いので食べられないという人も、うちの卵なら食べられるという人が多い。卵かけご飯は塩で食べてほしい」という。



2019年2月25日号

◎(有)向台ポートリー
まったり濃厚な黄身の「あかひご」
卵屋らしさあふれるプリンも人気に


千葉県柏市で農場から車で5分ほどの直売所「むこたま」を運営する(有)向台ポートリー(森山次夫社長)。純国産鶏のもみじなど「生みたてホヤホヤ」の卵や加工品を販売し、加工品の中でも一番人気は濃厚プリンの「むこたま Creamy Egg」。多い時は一日500〜600個が売れるという。地元産の野菜も販売しているが、同社の森山豪志氏は「うちは道の駅ではなく、あくまで卵屋」として、卵と加工品に注力している。

ブランド卵「あかひご」はカラーファン(CF)が17〜18という濃厚な黄身が最大の特徴。飼料にアスタキサンチンを含むファフィア酵母を添加することでこの濃厚さを出している。レギュラー扱いの「農場たまご」には地養素を添加し臭みがない卵になっている。ネット上には、購入した人たちの「黄身はとてもまったりと濃厚で美味しい」や「濃厚で美味しかった」、「割った時の黄身のオレンジ色は鮮烈」といった声が上がっている。



2019年1月25日号

◎伊藤養鶏場
たまごかけごはん専用の烏骨鶏たまご
飼料設計を見直し玉ひでのメニューに


東京・人形町の老舗鳥料理専門店・玉ひで(山田耕之亮代表)が、催事で伊藤養鶏場(東京都立川市、伊藤彰代表)の東京烏骨鶏を使った”なま掛け”親子丼を出品した。普段は6種類の卵を使い分け、東京しゃもなどの鶏肉を使った親子丼を提供する玉ひでにとっては異色の試みといえる。

山田氏は「卵は生か加熱か、その目的によって向き不向きがある。それも茹でる、煮る、蒸す、焼くなど、調理によって使い分ける必要がある。同じすき焼きでも牛肉なら黄身の大きなしっかりした卵の方が合うし、鶏肉なら味の薄い方が合う」など、鳥料理の専門家として卵には一家言を持っている。その山田氏が「今の伊藤養鶏場の烏骨鶏は生食に向く卵になった。次のメニュー変更の際はトッピング用の生卵として出そうと思っている」と評価する。その声を反映してか、パックラベルには「たまごかけごはん専用」としっかり明記されている。



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