鶏卵肉情報 進化するブランド

2020年6月25日号

◎(有)ヤマト養鶏(愛知県常滑市)
シリーズ進化するブランド156
飼料用米10%配合「ヤマトの米たまご」
耕畜連携のさきがけとして取り組む


(有)ヤマト養鶏(本社常滑市、平野耕二社長)は古くから養鶏の盛んな愛知県常滑市で、半世紀以上にわたり養鶏業を営んできた。

同社が10年ほど前から飼料用米にも取り組み、世に出したのが「ヤマトの米たまご」。2010年に地元の営農集団が飼料用米を作るということで、耕畜連携のさきがけとして始まった。

平野社長によると「開始当初は地元の稲作農家と年間5トンから始まり、現在では岐阜県産なども使用して年間使用量は200トン。飼料用米の配合割合は10%。設計飼料ではなく、農場に納入された配合飼料に自社で飼料用米を添加する方式だ。飼料用米は「ヤマトの米たまご」だけでなく、育成時の飼料にも使用している。販路も農産物の直売所や自動販売機などと限られており、原卵として出荷することもあるためカラーファンがあまり落とさないように調整している」という。



2020年5月25日号

◎(有)安田養鶏場
シリーズ進化するブランド155
鉄分2倍で栄養たっぷりの「アトムくん」
特徴の異なる3種類のブランド卵を生産


東京湾と相模湾に挟まれた三浦半島の西海岸。国道134号を曲がった狭い坂道を上ると、(有)安田養鶏場(神奈川県横須賀市)の素朴な直売所が現れる。そこはまるで、地域の人たちの憩いの場だ。取材時にも来店客が途切れることはなく、しかも皆が皆、世間話に花を咲かせていく。

「平成になった頃から」(安田養鶏場の安田和子氏)続けているという直売所は、地域住民の情報交換の場でもある。「コロナの影響でスーパーが混んでいるので初めて来たというお客さんもいる」など、今の世相でも客足は落ちていない。

ブランド卵はソニアの「しおさい」、ボリスブラウンの「アトムくん」、アローカナの「タフラン」の3種類。JAよこすか葉山が運営する大型農産物直売所「すかなごっそ」では、3種の卵を詰め合わせて「ヨコスカ西海岸」の名で販売している。「しおさい」は三浦半島の新鮮な風と太陽の光をイメージ。「アトムくん」に含まれる鉄分は一般的な卵の2倍で栄養たっぷり。「タフラン」は飼料にシイタケや魚のDHAなど天然素材を加え、まろやかな味になっている。



2020年4月25日号

◎(有)サンクトファーム
シリーズ進化するブランド154
生でおいしい濃厚な「まことのたまご」
加熱すると鮮やかな黄色になる「煌黄」


「創業以来、安心を第一に考えている」という(有)サンクトファーム(千葉県山武市、豊村彰治社長)は、「飼料にこだわる」「人の手にこだわる」「清潔にこだわる」を掲げ、ブランド卵「まことのたまご」と「煌黄(きらめき)」を生産している。

飼料は穀物やミネラルにゴマやウコンなどを独自に配合。農場では作業員が鶏の健康状態をつぶさにチェック。鶏舎内を清潔に保ち、ていねいな除ふんを心掛けている。こうした飼養管理で鶏を健康にすることで「生臭さや味のクセがない卵本来の味を楽しめる」(豊村義彰専務)という。豊村専務は「まことのたまごは生用に、煌黄は焼く用にと提案している。直売店のお客様も、卵かけご飯にはまことのたまご、お弁当の玉子焼きには煌黄と、用途によって使い分けている人も多数いる」と話す。



2020年3月25日号

◎五頭山麓ひよころ鶏園
シリーズ進化するブランド153
個性豊かな「地鶏たまごセット」
地鶏と純国産鶏6鶏種を自家育成


「四つ足は全部ダメ。卵も鶏もアレルギーがあってダメ」という川内寛之氏が、新潟県の旧笹神村(現・阿賀野市)の原野に鶏舎を手づくりして五頭山麓ひよころ鶏園を開いたのは2008年。開園前の研修等を通じて「岡崎おうはんの卵は一般的な卵と比べて臭みがなく、濃厚でおいしいと思っていた」ため、岡崎おうはん300羽、烏骨鶏100羽からスタートした。

川内氏は自身の体質を「きっとエサ由来」と考え、鶏園では人工添加物やビタミン剤などを一切使用せず、市販の配合飼料も使っていない。現在は9割以上の飼料原料を国産とし、新潟県産米やかつお節、ヨーグルトなど12〜18種類の原料を自家配合。純国産の赤鶏あずさのほか、岡崎おうはん、名古屋コーチン、にいがた地鶏といった地鶏や烏骨鶏などを初生雛で導入し、自家育成。雪のない時は放し飼い、積雪時は平飼いとしている。

これらの卵は新潟県内の直売所や首都圏の飲食店などでも取り扱われるようになり、「一昨年辺りからようやく経営が安定してきた」という。



2020年2月25日号

◎(有)水野谷鶏卵店
シリーズ進化するブランド152
深いコクと自然の甘みのある「黒鶏の卵」
オランダ原産のネラに指定配合飼料を給与


「卵肉兼用種に近い」というオランダ原産のネラで「黒鶏の卵」を生産・販売する(有)水野谷鶏卵店(福島県中島村、水野谷和美社長)。野性味にあふれ卵の味は世界的に定評がありながら、産卵成績があまり良くないため国内での羽数は多くない。しかし1970年頃、「差別化したブランド卵を」と考えていた先代の水野谷薫氏(現会長)がネラの卵の味に惚れ込み、「お客さんも付いてきた」ことから、今ではネラ一本にした。

「黒鶏の卵」は指定配合飼料に木酢液や海藻、ヨモギなどが含まれる地養素などを加えた独自の設計で、年間を通じて品質にバラツキが出ないようチェックを欠かさない。飲水には地下33メートルから汲み上げた地下水を使用し、夏場でも冷たい水を飲むことで鶏の体温が上がらないようにしている。さらに、昨年新設したウインドウレス鶏舎での綿密な飼養管理もあって、深いコクと自然の甘みのある卵になっているという。



2020年1月25日号

◎(株)ひたち農園
シリーズ進化するブランド151
鮮やかで美しい黄身を持つ「奥久慈卵」
うまみたっぷりの飼料でおいしさ凝縮


「昔の庭先で飼われていた鶏が生むコクのある味を蘇らせたい」をコンセプトに、平成5年に発売された「奥久慈卵」は、飼料に海藻や魚粉、牧草成分などを配合することで、コクのある黄身、濃厚な風味と凝縮されたうまみが特徴になっている。食のプロであるシェフからも「黄身の濃厚さが当店の味噌タレのすき焼きに大変合う」や「こんなに味も濃くて、美味しい卵があるんだな」など、高く評価されている。厚焼き玉子「厳選奥久慈」はモンドセレクション銀賞を受賞するなど、奥久慈卵を使った加工品も伸びている。

しかし、生産・販売する(株)ひたち農園(茨城県常陸大宮市、根本茂幸社長)は、現状にとどまることを良しとしない。今も2カ月に1度、専門業者とともに勉強会を開き、飼料設計などについて鶏の育種改良に合わせたバージョンアップを常に行っている。品質管理も厳しく、格外卵の設定基準は他社よりもかなり高い。

根本社長は「商品化率が高いに越したことはないけれど、格外が出ても玉子焼きに回せるので設定基準が厳しくても構わない。それよりもお客様に喜んでもらえるものをつくり続けることが第一」と話す。



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