鶏卵肉情報 進化するブランド

2025年1月25日号

◎農事組合法人東山産業(香川県木田郡三木町)
シリーズ進化するブランド209
葉酸が一般卵の1.7倍の「オリーブEgg」
濃厚な黄身とさわやかな白身の味わいが好評


小豆島産オリーブの葉の粉末を飼料にミックスした「オリーブEgg」はビタミンB12を助ける葉酸が一般卵の1.7倍含まれ、濃厚な黄身とさわやかな白身の味わいが特徴になっている。生産する農事組合法人東山産業(香川県木田郡三木町)の志渡聡一郎代表理事組合長は「香川県はオリーブハマチなどオリーブを使った養殖が盛ん。オリーブ牛など肉類は絞り粕を給与しているが、オリーブEggはオリーブハマチと同じくオリーブの葉を使っている」と話す。

同社ではPHFのトウモロコシを中心に、大豆や飼料用米、魚粉などの指定配合飼料を使用し、初生雛から一貫生産。〝食と農を通じて、食卓に笑顔と幸せをお届けする"をモットーに、高品質で安心・安全な卵を生産している。「母鶏に安心なエサを与え健康に育てるPHF飼料の飼育法は、食卓へ安心な卵をお届けするための私たちのこだわり」という。

平飼いも始めた。開放鶏舎の中で活発に動いているので鶏の健康状態も高くキープでき、うま味や甘みをしっかりと感じられる濃厚な卵になっている。

2015年にはたまごの専門店「danran(だんらん)」をオープン。「農家が加工品を作って売っていくには、自分たちの強みを生かさないといけない。自分たちの生産物をお客様に見える形で」と、たまごプリンやたまごロールケーキ、たまごシュークリームなどの加工品に加えて、定番の卵かけご飯のほか、ランチでは肉と卵を食べるランチ、カルボナーラなど、卵を全面的に押し出したラインナップを提供している。

志渡氏は「オープン当時、戦略的には規模拡大か付加価値向上の2択を迫られていたため、付加価値をより高めていくこととした。また、販売は基本的に卸売りまでだったので、お客様の顔が見える形で商売をしようということで店舗を作った。なぜここに作るの? と言われるほどの田舎にあるが、20キロメートルまで商圏を広げると高松市も入るので、多い日には200~250人が来店している」という。

加工品は一部を除いて自社製造。現在は店長を中心に工房スタッフが中心になって製品開発を行っている。「ものづくりは簡単ではないが、長期的に地道な積み上げをできるかが大切」

今後について、志渡氏は「買って食べて喜んでもらって、また買っていただくということを続けていきたいし、広げていきたい」と話している。



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